Bike Courier Column 高額なバイク便はいったい何を運んでいる?
そもそも『バイク便』とは分類上“貨物軽自動車運送事業”とされ、当然ですが運送業に当たります。
しかしバイク便は業務内容の性質上“人材派遣業”に似た性質があるのではないか…と筆者は考えております。
バイク便サービスとは二輪免許を取得したオートバイという特殊な機器を操作できるスタッフを派遣し、貴社の従業員様に成り代わり、貴社お取り扱いの商品や製品をいち早くお届けするサービスなのです。
この辺りが性質上、一般的な宅配便や郵便事業とは異なるのです。
バイク便は実際高額です。
郵便なら封書は84円で、宅配便なら大きさや地域にもよりますけど数百円から2,000円ぐらいで届きます。
お届けが翌日から2-3日かかっても構わないのであれば…
これがバイク便なら料金算出が距離制(タクシーの様な算出の仕方)なので数千円〜数万円かかります。
その代わり依頼してから数十分から数時間で届くのです。
それ故自社の従業員で済ましてしまうケースが多いのです。
しかし実際自社の従業員でお届けに行ったらゼロ円…ですか?
従業員の給料、社用車の維持費や保険料、お届け中の事故などのリスク、そしてその従業員がいない間の仕事の進捗など、それらを全部含めて費用対効果を比べてから『やっぱりバイク便は高い』と結論付けて欲しいのです。
昨今はデータの送受信で何でもやり取りできる時代になりました。
少々大きいデータでもメールで飛ばせる時代になりましたし、クラウドサービスの経由なら莫大なデータ量でもやり取りできます。
テクニカルサポート系だと保守員さんへ修理部品のお届け、建築系だと部材や資材の現場へのお届け、クリニックや調剤薬局だと在宅医療の患者さんや老人ホームへのお薬のお届けですね。
最近ではクリーニング屋さんでコインロッカーが併設されている店舗を見かけた事やご利用された方はいらっしゃいませんか?
あの派生で、バイク便で洗濯された衣類をお届けするサービスを展開されているクリーニング屋さんなどもいらっしゃいます。
あと個人のご利用だと忘れ物のお届けも多いです、スマートフォンが大多数ですね。
そんな中バイク便が多く運んでいる物とは、やっぱり企業間での書類のやり取りだったりします。
『書類のやり取りをまだアナログでやってるのか!?』とお感じの方もいらっしゃるでしょう。
そうです、未だに請求書や見積書をメールではなくバイク便で送る(※1)企業もあるのです。
では時代遅れとお感じの方にお尋ねします。
『その請求書や見積書に書かれている金額はおいくらですか?』
数万円ですか?数十万円ですか?数百万円ですか?
察しのいい方はお気付きかもしれませんが、これらの金額が“数千万円/数億円/数十億円…”となってくるとメールでは送れなくなってくる(送ってもいいんですけどね)のです。
あと珍しいケースでは、大手ゼネコンや官公庁などの大規模な商談や見積もりなどでは“談合”を防ぐ策として、直接お会いしての商談を制限させるケースもあります。
歩いて数分のお取引先でも運送業者を通さないとプレゼン資料やお見積書などの受け渡しができないのです。
(※1)見積書や請求書は“信書”にあたり、これらを運送するには総務省が発行する信書便事業の許認可が必要です。
弊社は信書便事業の許認可を取得していない為、信書にあたる物のご依頼はお断りさせて頂いております。